2023年日本とオーストラリアのデジタル競争力ランキング

皆様、2023年もご愛読いただき、ありがとうございました。

今年最後のブログでは、日本とオーストラリアのデジタル競争力について書きたいと思います。

日本のデジタル競争力は世界に比べて遅れている!?

実は日本のデジタル競争力は発展途上国内では遅れていることをご存知でしょうか?

2023年の「IMD世界のデジタル競争力ランキング」で日本は64カ国中32位となり過去最低を更新しました。

「IMD 世界デジタル競争力ランキング」とは、IMDというスイスの学術機関によるランキングで、各国が政府の慣行、ビジネス モデル、社会全般の変革につながるデジタル テクノロジーをどの程度導入および探索しているかを分析し、ランク付けして毎年発表しています。

日本はデジタル競争力世界32位

このランキングの評価軸となる要素には

  • 知識(Knowledge)
  • 技術(Technology)
  • 未来への備え(Future Readiness)

の3つがあり、日本は「知識(Knowledge)」は28位で、「技術(Technology)」「未来への備え(Future Readiness)」は32位となっています。

⚫︎日本のデジタル競争力結果ページ
https://worldcompetitiveness.imd.org/countryprofile/JP/digital

注目するべきは「知識(Knowledge)」で、そのサブファクターの一つに「Talent(人材)」(49位)というのがあります。

更に「Talent(人材)」を構成する要素の「International experience」 が64位と最下位、そして「Digital/Technological skills」が63位です。(※この情報はサイトでダウンロードできるPDFで確認できます)

日本政府はこの「Digital/Technological skills」を改善すべく、2021年に提唱した「デジタル田園都市国家構想」の方針の一つとして「2026年度末までに230万人のデジタル人材育成」を目指しています。

これは全労働力人口の約3%にあたるので、100人に3人がデジタル人材というのは結構な確率だと思いますが、これからはそれくらい必要ということなのでしょう。

オーストラリアは16位でデジタル先進国!

次に、オーストラリアのデジタル競争力ランキングですが、なんと16位。

オーストラリアはデジタル先進国でした。

実は私は日本は世界的にデジタル先進国だと思っていたので日本の結果にも驚きましたが、オーストラリアが日本の半分の順位だったのにも驚きました。

⚫︎オーストラリアのデジタル競争力結果ページ
https://worldcompetitiveness.imd.org/countryprofile/AU/digital

そんなデジタル先進国オーストラリアの人材育成の取り組みの一つを、私の住んでいるビクトリア州から紹介します。

ビクトリア州では数年前から「デジタルジョブプログラム」という取り組みを行なっており、数年の就業経験がある30歳以上を対象としたデジタル人材の育成と地域の企業へのデジタル人材提供を行っています。

⚫︎Digital Job
https://djsir.vic.gov.au/digital-jobs

このプログラムでは、参加者はデータ分析、サイバーセキュリティ、AI、デジタルマーケティングなどの専門分野を12週間、地域の大学や教育機関のコースで学んだあと、地域の企業とマッチングしそこでデジタル人材として働くことになります。

無料で教育を受けれる上、新たなキャリアパスのサポートまでしてもらえるので毎回非常に人気のプログラムです。

また、企業側も補助金を受け取り、プログラム参加者のインターンを受け入れて雇用するか考えることができます。

人材育成から州全体の企業へのデジタル人材配置まで行うこの政府の試みはとても包括的で効果的だと思います。

今後のデジタル化に向けて

広告業界もデジタルへと大きくシフトしており、2025年にはテレビ広告のシェア23.7%を大きく上回り、デジタルの広告が約60%になるとも予想されています。(電通グループ、「世界の広告費成長率予測(2022~2025)より)

今後もみなさんのデジタル化への変化と対応がビジネスを守るのに重要となりますので、一人一人が積極的にデジタル化に対応していくことが重要です。

私もデジタル先進国であるオーストラリアに住んでいるという土地の利も活かしつつ、日本人の皆様にわかりやすくウェブマーケティングを伝えていくことで、デジタル人材育成に貢献していきたいと考えています。